クロモジとバラの実のリース (M)

しなやかなクロモジの枝が、風の記憶をそのまま纏ったように、自然の張力だけで静かに円を描く。

無理に形を固定することなく、枝の流れに寄り添うようにつくられた輪には、鮮やかな赤い実が、小さな鈴の音のようにリズムを刻むように寄り添っています。

素朴でありながら、どこか華やぎを帯びた佇まいは、冬の部屋にひと匙のあたたかさと、季節の喜びをそっと運んでくれるよう。

壁に掛ければ、赤い実がふわりと灯りのように映え、まるでクリスマスを待つ静かな夜に、小さな祝福の輪が宿ったかのようなリースです。

作家紹介

和花草風（わかくさかぜ）

季節はめぐり、植物はその時々でさまざまな姿を見せてくれる。

和花草風さんは、その一瞬の美しさをそっとすくい取り、リースというかたちに映し出しています。

冬の訪れとともに現れる赤い実や深い緑は、ノエルの夜を照らす灯りのようにあたたかく、静かな空気の中にやさしい華やぎをもたらしてくれる。

まるで聖夜を待つ小さな祈りの輪のように、リースは暮らしに寄り添い、眺める人の心をそっと包み込みます。

「その一瞬を切り取るようなリースをこれからも作り続け、皆さまに見ていただけたら——」

和花草風さんの作品には、自然のうつろいとともに、冬に灯るやわらかな詩情が息づいている。